あさのことば

杞憂

放送日
2006年9月22日(金)
お話し
木村 香(川越教会牧師)

木村 香(川越教会牧師)

メッセージ: 杞憂

 いかがお過ごしでしょうか。川越教会の木村香です。

 昔、中国の杞の国の人が天地が崩れたらどうしようか、と考えました。天が落ち、地が崩れるとしたら身を寄せるところがありません。もう心配で心配で夜も寝られず、食事もできなくなってしまいました。見かねた人が大丈夫だよ、と教えてやり、その心配を解いてあげます。「列子」という書物に出てくる寓話ですが、実は続きがあります。天と地が崩れるというのも間違いなら、崩れないというのも間違いだ。誰にも分かりはしない。物事は見方によって反対の考え方も成り立つのだから。それゆえ崩れるとか崩れないとか、そんなことを心配するには及ばないのだ、と。それが列子の主張です。

 ところが、聖書は驚くべき事を教えています。天地の崩れる時が来るのだ、と。[その日には、天は大音響をたてて消え去り、天体は焼けてくずれ、地とその上に造り出されたものも、みな焼きつくされるであろう 2ペテロ3:10、口語訳]と書かれています。

 これは考え方の問題ではありません。世界をお造りになった神様が、御自分の作られた世界を終わりにする、と言っておられるのです。なぜそんなことを神はなさるのでしょうか。ただ闇雲に世界をぶっ潰すのではなく、新しい世界と新しい歴史を始められるためなのです。

 その時、信仰を持っていた者は永遠の命に甦らせていただけるのです。そういう考え方もあるのか、といったことではない、事実として、この世界は終わり、新しい天の国の世界が始まるのです。キリスト教が私たちの救いとなり、慰めとなるのはその点なのです。

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