リジョイス聖書日課

サムエル上11章 苦しみの声に心を寄せる統治者

放送日
2025年11月10日(月)
お話し
長田詠喜(新所沢教会牧師)

11月10日(月) サムエル上11章

それを聞くうちに神の霊がサウルに激しく降った。彼は怒りに燃えて、…
日本聖書協会『聖書 新共同訳』サムエル記上11章6節

 王を求める民に、主はベニヤミン族の若者サウルを選び出しました。彼は背が高く美しい若者でした。もちろん主は外見でお選びになったのではありません。また、彼はおとなしく控えめな青年でした。人びとの中には「こんな男に我々が救えるか」と侮る人もいたほどでした。

 そのようなとき、ヨルダン川東岸の地ギレアドのヤベシュの町が敵に包囲されます。住民は、敵に対して全イスラエルに援軍を求める猶予を求めます。敵がそれを認めたのは、援軍など来ないと侮っていたからでしょう。実際、ギレアドの状況を聞いた民は、嘆きの声をあげることしかできませんでした。

 しかし、サウルは違いました。知らせを聞いたサウルには霊が降り、彼は怒りに燃え、全土に檄を送ります。その結果、全イスラエルが立ち上がり、敵を打ち破ります。

 ここに神が彼に与えた治める者としての資質が見えます。怒りや軍事力ではありません。苦しむ者が助けを求める声に、深く思いを向け、なんとしても助けようと行動する力。そこに全国民が統治者の姿を見出したのでした。後に戦死したサウルの遺体を、このギレアドの民が命をかけて葬りました。救われた民は感謝を忘れなかったのでした。

 【祈り】

 主よ、罪に苦しむ私たちの声に耳を傾けてください。私たちも苦しむ人を助ける者とならせてください。

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