8月16日(土) 詩編93編
主こそ王。威厳を衣とし、力を衣とし、身に帯びられる。世界は固く据えられ、決して揺らぐことはない。
日本聖書協会『聖書 新共同訳』詩編93編1節
詩編93編は、「主こそ王」という言葉で始まる詩編のひとつです。主が、世界の王として、威厳と力を衣のようにまとい、王座に就かれる姿が歌われています。主なる王の支配する世界は「固く据えられ、決して揺らぐことはない」と。
しかし、現実はどうでしょうか。この世界は罪と悪が満ちており、戦争、暴力、権力争い、自然災害があり、さまざまな生活苦があります。詩人も、絶対的な主に挑む勢力があることを知っています。3、4節の「潮」が「打ち寄せる響きをあげ」、「大水のとどろく声よりも力強く、海に砕け散る波」がそれです。地上には、王に逆らう力が存在しているのです。
それでも詩人は落胆していません。その理由が5節の「あなたの定めは確かであり、あなたの神殿に尊厳はふさわしい。日の続く限り」です。
「あなたの定め」とは聖書全体に貫かれている神の約束、救いのメッセージです。主なる王の支配は、新約の今もイエス・キリストによってなお継続しており、その支配は終末に至ります。主なる王が創造の御業を完成にまで導かれるのです。そして、そのときこそ「決して揺らぐことのない世界」の完成です。私たちキリスト者は完成に向けて歩んでいるのです。
【祈り】
私たちが主の定めに信頼して歩み、「決して揺らぐことのない世界」へと導き入れられますように。