杉山昌樹(新座志木教会牧師)
メッセージ: こだわりを捨てれば
いかがお過ごしですか。新座志木教会の杉山です。
昨年はコロナ禍の中で、自ら命を絶つ方が多くありました。年末のことだったでしょうか。飢餓のために亡くなってしまった方がいたことも知りました。そのような状態に至る理由がなんであったのか、詳しいことはわかりません。ただ、自ら命を絶つにせよ、結果として餓死することになってしまうにせよ、その引き金はお金がないこと、そしてそれゆえに、人生に行き詰まってしまったことではないでしょうか。それは凄惨な出来事です。
その一方で、ある疑問もなくはないのです。自ら命を絶つという行為の根本に、その人の心の中に一体何があったのかということです。極端なことを言います。もし生きるためであるのなら、生活保護はもちろん、借金を抱えて破産を選んでもよい、と私は考えています。何をしてでも生きている方がよいのです。しかし死を選ぶ人には全く別の景色が見えているのかもしれません。
ではそのような別の景色とは何でしょうか。それは世間体とか常識でしょうか。あるいは自分の誇り、生き方であるのかもしれません。でもそのようにして、これはいけない、これはできない、と考えているのは誰でしょうか。それは突き詰めますと自分です。自分のこだわりを捨てれば、まったく違う景色が見えるのかもしれません。
聖書には「自分の命を愛するものはそれを失う」という言葉があります(ヨハネ12:25参照)。私たちは、自分はこうあるというところから、もっと自由になってよいのではないでしょうか。
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