歴代上1-9章 系図に見える人間の罪と救いの恵み
アダム、セト、エノシュ、ケナン、マハラルエル、イエレド、エノク、メトシェラ、レメク、ノア、セム、ハム、ヤフェト。(歴代上1:1-4)
歴代誌上は長々とした系図で始まります。私たちにとっては記号のように見えるこの名前も、本人やその周りに生きた人たちにとっては、この地上に生を受けた証です。
神が人をお造りになったとき、「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ」と神は人を祝福されました。しかし、罪を犯した人類は、全地に満ちて広がるよりも、一つのところに結集し、天まで届く塔を建てようと試みました。神はこの人間の計画を打ち砕かれ、人間を全地に散らされました。人が全地に満ちるようになったのは、皮肉にも神の祝福の結果ではなく、強制的に散らされていったからでした。しかも、その行く先々で罪もまた蔓延していきます。
けれども、アダムから始まるこの系図は、人間の罪を思い起こさせるだけではありません。広がって行く系図は、やがてアブラハム、ダビデ、さらにはその子孫へと集中していきます。さらに時代を降ると、その末裔から救い主イエス・キリストが誕生します。そして、散らされていった人びとの子孫たちもまたこのお方によって神の救いの恵みにあずかります。
深い傷跡を残した罪の歴史は、神の恵みによって克服されていきます。この系図の延長線上にあなたがいてわたしがいるのです。
【祈り】 神よ、あなたの恵みを感謝します。あなたの救いの系図にわたしの名前も加えてください。アーメン