創世記32章 神との格闘−神に砕かれる祝福−
「お前の名はもうヤコブではなく、これからはイスラエルと呼ばれる。お前は神と人と闘って勝ったからだ。」(創世記32:29)
ラバンの許を去ったヤコブは、かつて自分に騙され、自分を殺そうとした兄エサウとの再会に備えます。それはヤコブにとって極度の緊張を伴うものでした。再会のための段取りを整えたヤコブでしたが、なお不安は消えません。
そのようなとき、何者かがヤコブと夜明けまで格闘しました。その人はヤコブに勝てないと見て、ヤコブの腿の関節を打ったので、腿の関節ははずれてしまいました。去ろうとするその人に、ヤコブは「祝福してくださるまでは離しません」と言って食い下がります。
これは、ヤコブにとって神の祝福を求める祈りの格闘でした。ヤコブはこの戦いに勝利し、イスラエル(神と争う)という名を与えられました。彼は祈りの格闘において、神に勝ったのです。
しかし、その前に腿の関節をはずされ、無力とされました。これは、ヤコブが神に砕かれ、神に対して敗北したことを意味します。同時にそれが、神から祝福をいただく勝利でもありました。このように神に屈服し、神に敗北するとき、私たちは本当の勝利と平安をいただくのです。
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