12月30日(火) サムエル上30章
しかし、ダビデは言った。「兄弟たちよ、主が与えてくださったものをそのようにしてはいけない。我々を守ってくださったのは…主なのだ。」
日本聖書協会『聖書 新共同訳』サムエル記上30章23節
ダビデの不在の間に、彼の本拠地であるツィクラグがアマレク人によって襲われ、全住民が捕虜として連れ去られるという悲劇が起きました。兵士たちは、やりきれない怒りと悲しみをダビデにぶつけます。しかしこの苦境にあってダビデは、「主によって力を奮い起こし」(6節)、活路を見出します。ダビデに与えられていた王としての資質とは、何よりこの主なる神への全的信頼でありました。
主の託宣に勇気を得たダビデと兵士たちは、すぐさまアマレク追撃に出て勝利を収め、奪われたものを取り返すことができました。ところが、またも問題発生です。ベソル川にとどまった二百人に対する取り扱いを巡ってひと悶着起こりますが、ここでもダビデは王としての資質を示します。彼は疲れ切って従軍できなかった者たちを気遣い、彼らにも平等に戦利品を分けます。それは優しさというより、すべては主のものである、自分たちの自由にしてはならない、との神への忠実によるものです。
「主が与えてくださったもの」「我々の手に渡されたのは主」とダビデは言います。すべては神の賜物です。誰もが受けるに値しない者たちであるにもかかわらず、自由な恵みによって与えていただいた賜物だから、皆で分け合うのです。
【祈り】
あなたへの全的信頼と御旨に対する忠実な心を与えてください。神と人への愛を与えてください。









