父なる神の深い憐れみに倣う

2月23日(日) ルカ6章27-36節

「あなたがたは敵を愛しなさい。…そうすれば、たくさんの報いがあり、いと高き方の子となる。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ルカ6:35

 「敵を愛しなさい」と主イエスが言われたとき、ユダヤはローマ帝国の支配下にありました。「敵」という言葉を聞いた人びとの心に浮かんだのは、理不尽に自分たちの頬を打ち、上着や持ち物を奪い取るローマ兵の姿であったかもしれません。これらは彼らが現実に経験していることでした。現代の社会では、暴力を振るわれたり、物を奪われたりすれば、権利を主張して戦うでしょう。

 しかし、主イエスは、「頬を打つ者には、もう一方の頬をも向けなさい」、「持ち物を奪う者から取り返そうとしてはならない」と命じられます。これは、この世の権力者の言いなりになれということではありません。むしろ、人間の支配者ではなく、父なる神に従う歩みを命じておられるのです。「自分によくしてくれる人に善いことを」するのは、この世で誰もがしている「ふつう」のことです。主イエスはこの世で「ふつう」のことに倣うのではなく、父なる神の憐れみ深さに倣う生き方を求めておられます。

 日本は道徳的規律が厳しい社会だと言われます。しかし、一般的な意味での道徳を超えて、自分によくしてくれない人に「人にしてもらいたいと思うこと」をするなら、私たちの父である「いと高き方」の姿を人びとが思い描くのではないでしょうか。

 【祈り】 主よ、この世のモラルではなく、神の国のモラルに従って、父なる神の愛を実行させてください。

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