年を重ねた者の願いと務め

2月8日(土) 詩編71編

わたしが老いて白髪になっても
神よ、どうか捨て去らないでください。
御腕の業を、力強い御業を
来るべき世代に語り伝えさせてください。
日本聖書協会『聖書 新共同訳』 詩編71編18節

 詩編はヘブライ語で「賛美」を意味する「テヒラー」と呼ばれます。多くが嘆きの歌である詩編が「賛美」と呼ばれるのは、神の助けを確信して歌われているからではないでしょうか。

 この詩編71編の書き手は年を重ねています。彼は、今も敵の中に置かれ、苦しみの中にいると嘆き訴えています。しかし、孤独と苦しみの中で誰からも顧みられなくなっても、なお顧みてくださるお方がおられる、そのお方は見捨てるどころか必ず生き返らせてくださると、心からの感謝の賛美をささげています。感謝は今までの神の良き導きを思い出させ、神の恵みの豊かさを知り、神への信頼を回復させてくれるのです。

 彼は、老いた信仰者の願いは次の世代に信仰の喜びを伝えることだと祈ります。白髪になったわたしですが、この務めを果たし続けることができるよう支えてください、と。

 50年ほど前のこと、学生だったわたしが訪れた教会には高齢の方が幾人もおられました。当時は気付かなかったことが、年月を経て思い出されます。それは、心身ともに弱り衰えようとも、御言葉によって生かされてきた人の、御言葉という土台を持った人の力強さです。神の御言葉は年を重ねるほどに人を回復させ、力づける、神の力なのです。

 【祈り】 日ごとに内なる人を新しくしてくださる主よ、あなたの恵みによってわたしを生かしてください。

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