創世記32章 ヤコブ物語(3)神が戦ってくださる
「お前の名はもうヤコブではなく、これからはイスラエルと呼ばれる。」(創世記32:29)
あの神との出会い以来、ヤコブの人生に大きな変化が生じます。たどり着いた伯父の家での生活の中で、ごく自然に「神」や「主」という言葉が語られるようになるからです。
とは言え、伯父のラバンに何度となく騙されるヤコブは、まるで自分が兄や父にしたことの報いを受けているようです。やがて故郷への旅路につくヤコブは、兄エサウが迎えに来るという知らせに、おののきます。
エサウの様子を窺いながら、事あらばすぐに逃げられるように備えつつ道を進む途中、ヤコブは何者かに襲われ、一晩中格闘するのです。
この謎の人物から、お前は「イスラエル」と名乗れと言われ、いとも簡単に腿の関節をはずされ、祝福を受けたヤコブは、この方が神であったと悟ります。
神を信じるようになりながら、なおも自分の知恵に頼り、人の顔を恐れて生きてきたヤコブは、神との格闘の中で徹底的に砕かれました。
人の顔ではなく“神の顔”を見て生きる者、自分ではなく神が戦ってくださることを信じる者へと、変わる必要があったからです。
「イスラエル」とは“神が戦う”という意味です。不安と恐れの中で、人はしばしば自分で戦おうとしますが、神の勝利を信じる者は幸いです。
【祈り】 神様。自分の力に頼ることなく、あなたの勝利を信じて生きる者としてください。