雅歌7章 喜びに満ちた愛
喜びに満ちた愛よ
あなたはなんと美しく楽しいおとめか。(雅歌7:7)
何かの祝い事かお祭りの時なのかもしれません。人々は、自分たちのコミュニティに加わったばかりの女性に踊りをリクエストします(1節)。
楽の音に合わせて躍動する女性の肉体美に、視線が注がれます。おそらくは、地面に腰を下ろして見上げているからでしょう。土埃を上げながら踊る足から、もも、腹、胸、頭と、その一つ一つがたたえられます。
しかし、夫にとっての妻の美しさは、そうした客観的な美にとどまるものではありません。夫婦だけの「喜びに満ちた愛」(7節)が輝きを増し加えるからです。
そうして夫は、単に鑑賞するだけでなく、妻と一つになりたいという願いに駆られて唇をふさぎます(9節)。
夫の求めを強く感じた妻は、むしろ自分から「恋しい人」を誘います。そうして、夜となく朝となく、媚薬としての「恋なす」(14節)がいくつも並んでいるとあるとおり、二人はいつまでもどこまでも愛し続けるのです。
自分の心も体も「あなたのために取っておきました」(14節)と言われる、夫婦だけに許された最も深い愛の形が、ここには描かれます。