ウエストミンスター小教理問答の学び 第76〜78問

第76〜78問 第九戒

問76: 第九戒は、どれですか。
答:   第九戒はこれです。「あなたは隣人について、偽証してはならない」。

問77: 第九戒では、何が求められていますか。
答:   第九戒が求めている事は、人と人との間の真実と、また私たち自身と隣人の名声とを保ち、高めること、特に証言する時にそうすることです。

問78: 第九戒では、何が禁じられていますか。
答:   第九戒が禁じている事は、何事であれ、真実を損なう事、あるいは私たち自身や隣人の名声を傷つける事です。


第九戒の趣旨


 古代では、科学的捜査は未発達でしたから、裁判では証言が重んじられました。偽りの証言は、社会の土台を揺るがす悪事でした。
 小教理問答は、時代を越えた意義として、二つの事を上げています。
(1) 真実を守る事(嘘の禁止)、

(2) 人の名声を守る事(中傷の禁止)。

真実を守ること(嘘を言わないこと)

(1) 癌告知の問題のような微妙な問題も実際生活にはあります。十戒の要点は神と隣人への愛でした(問42)。相手の益を願う愛に根差して、相手に何が本当に有益か、信仰の眼で洞察することが必要な場合もあります。

(2) しかし、ほとんどの場合、真実を曲げたり、嘘で問題を切り抜けたりする事は有益ではありません。私たちの人生を真実の上に築く努力を重ねなければなりません。

(3) 特に、相手の益ではなく自分の益を願って真実を曲げる誘惑は、私たちが日々直面する誘惑です。これは、明白な罪です。

人の名声を守る事(中傷しないこと)

(1) 多くの人には、悪口を楽しむ悪癖があります。人を引き下げる事で自分を引き上げようとする、隠れた心理が働くのです。主に頼り、この強い誘惑と戦う必要があります。

(2) 特に慎むべきは根拠のない悪口です。嘘でなくても、一方的な言い分による悪口は根拠不十分な悪口です。人を批判すべき時も、中傷に進む事がないように、相手の言い分も思いやる愛に立ち戻る必要があります。

(3) 隣人や教会の兄弟姉妹についての批判を聞く立場に立たされる場合にも、それを鵜呑みにしないように気をつけるべきです。
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