詩編141編 わたしの心を守ってください
わたしの心が悪に傾くのを許さないでください。
悪を行う者らと共にあなたに逆らって
悪事を重ねることのありませんように。
彼らの与える好餌にいざなわれませんように。(詩編141:4)
詩人はいま激しい試練に直面しています。逆らう者がわなをしかけ、彼を落とそうとねらっているからです。彼は主の速やかな助けを祈り求めています。
しかし、そのような切迫した状況のなかでも、詩人の思いは冷静に彼の内側に向けられています。悪人の誘いに乗って、彼らと同じ道を歩んでしまう弱さを自身の内に見ています。そして、「わたしの心が悪に傾くのを許さないでください」と祈るのです。ただ主だけが彼の心を守り、御心にかなう歩みができるように恵みを備えてくださることを知っているからです
私たちは誰かに苦しめられているとき、自己憐憫に陥り、冷静さを失い、その苦しみから助け出されることだけを祈り求めがちです。しかし、この詩人の最大の関心事は主との正しい関係であり、彼自身の心の健やかさでした。詩人は、主の道を歩み続け、常に主に喜ばれる者でありたいと願い、主の恵みをひたすら祈り求めます。この詩人の言葉の中に、真の信仰者としての深い霊性を感じとることができます。
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