これは何者か。
知識もないのに、言葉を重ねて
神の経綸を暗くするとは。
男らしく、腰に帯をせよ。
わたしはお前に尋ねる、わたしに答えてみよ。(ヨブ38:2-3)
神はエリフの言葉に続いて、長い沈黙の後に語り出されました。ヨブの問いは「自分は無実であるのに、何故このように苦しめられるのか、神の正義はどこにあるのか」というものでした。神は、この問いに直接的には答えてはおられませんが、ヨブに語りかけてくださいました。
神はこの時を心待ちにしておられたかのようです。これまで、ヨブが自分の身にふりかかった災いの不可解さに耐え続けたように、神も沈黙という忍耐を重ねてこられました。この二つの忍耐がついに終わりを迎えます。
「わたしが大地を据えた時、お前はどこにいたのか」と問われるとき、ヨブは答えることができません。創造世界について「お前は何を知っているのか」と問われても、自分の存在の小さなことを自覚する以外にないのです。
しかし、神の厳しい言葉はヨブの口をふさぐためではありません。「答えてみよ」と、神はヨブのさらなる言葉を聞こうとされます。神はヨブとの交わりを望んでおられます。今はもう沈黙ではなく、言葉を通して。時は満ちました。それはヨブにとって厳しくも、恵み深い時です。
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