いかがお過ごしですか。新座志木教会の杉山です。
ヨハネによる福音書では、復活されたイエスが弟子たちの真ん中に表れた、ということが2回続けて描かれています。そのどちらにおいても語られているのは「あなた方に平和があるように」です。イエスが復活された後の2つの日曜日に、全く同じ「平和」が繰り返し語られているということは、実は弟子たちの心は平和ではなかったことを意味します。
実際のところ、この2つの日曜日について語りますところの書き出しはいずれも「戸には鍵をかけていた」でした。これは弟子たちのあり方そのものです。それは不安と恐れにとりつかれた心です。そのような不安と恐れは、現代に生きる私たちにとりましても決して他人事ではなく、むしろ、漠然とした不安は以前よりも強くなっているようにすら感じます。そして私たちはこのような不安からなかなか抜け出せません。
しかし、復活されたイエスが戸を閉ざした弟子たちの所に入ってきて、その真ん中に立って彼らに「平和」を与えられたのと同じように、私たちのあいだに立たれます。
そして、思い煩いで不安を大きくしているかもしれない私たち、あるいは、不安をないことにしようとして強気なことを語っている私たち、そうでなければ、色々なものに頼って不安をごまかそうとしている私たち、そのような張り詰めた私たちの心の中に入ってきて、「平和があるように」と語りかけ、私たち自身の中に、自分を取り戻す「平和」を作ってくださるのです。