綱島教会の牧師、小宮山裕一です。昨日に引き続き一つの詩を皆様に紹介します。
ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背広をきて
きままなる旅にいでてみん。(萩原朔太郎著『旅上』より)
この詩のタイトルは「旅上」といいます。萩原朔太郎のものですが、彼の作品の中でも有名なものの一つです。
この詩のテーマは旅です。人間は旅が好きです。生涯の内、何度か旅行に行きます。大陸から大陸を渡る渡り鳥のような生物もいますが、精神的な満足を求めて旅をするのはおそらく人間だけでしょう。 ふらんすへ行きたい。遠くへ行きたい。その願いが実現するかどうかは別にして、こうした欲求は人間にとって、生まれつき持っているものなのかもしれません。
聖書では、私達の人生も旅であると言われています。その旅の目的地は、神の国です。その神の国に至る地上での生涯を私達は送っている。生涯は旅です。そこには山があり谷がある。平坦な道もある。晴れの日もあれば雨の日もある。しかし、確かに目的地があり、そのゴールに向かっている。そしてゴールに着いたとき、本当に大きな喜びがある。旅は目的地で何をするかも大切ですが、旅の道すがらも楽しむことができれば、とても豊かなものとなる。
神を信じてこの生涯を生きるとは、まさにその道中すらも楽しむ歩みなのです。これは本当に楽しいものです。皆様もどうぞ、楽しい旅路に歩を進めてください。