いかがお過ごしですか。新座志木教会の杉山です。
主イエスが生まれた時の様子を最も詳しく語るのはルカによる福音書ですが、そこでは「布にくるまれて飼い葉桶に寝かせられていた」(2:7参照)とだけ書かれています。そこから、馬小屋で生まれたと言われるようにもなりましたが、実際には半洞窟の家畜避難所のようなところだったようです。それはおそらく町はずれの寂しい場所で、この出産に立ち会った人は、ほかに誰もいなかったかもしれないほど、ひっそりとした出来事です。
では、主イエスの誕生はだれにも知らされなかったのか、と言えばそうではなく、むしろこの誕生は天使によって大きなしるしと共に知らされることになりました。ただしそれは、まず荒れ野で羊の番をしていた人たちに対してでした。彼らの特徴は何でしょうか。確かなこととして、彼らはいわゆる偉い人たち、ではありませんでした。
しかしそれよりももっと確かなのは、彼らはベツレヘムから離れたところにいた、ということです。天使たちは、町から離れて寂しい荒れ野にいる彼らに現れ、大いなる喜びの訪れとしての救い主の誕生を語りました。またそれだけではなく、しるしを示しています。そのしるしとは「布にくるまれて飼い葉桶に寝かせられている乳飲み子」です。
このように、喜びのしるしは離れたところにいる人たちによって、探し出されなければならないものとして示されています。それゆえ私たちもまた、羊飼いたちが出かけたように、私たちの救い主である乳飲み子を、自分たちの救い主として尋ねだしたいのです。