いかがお過ごしですか。新座志木教会の杉山です。
ルカによる福音書には、主イエスのご降誕の前にあった小さな旅の話があります。それは、二人の妊婦、年老いてから洗礼者ヨハネを生むことになったエリサベトの家を、うら若い乙女でありながら聖霊によって子どもを身ごもったマリアが訪ねていく、という話です。
その時マリアは急いで出かけた、と聖書は語ります。なぜ急いだのか理由は書かれていませんけれども、それはこの出会いを神様ご自身が楽しみにしておられて、それでマリアの足を速めたからではないかと私は考えています。それは地上に早く喜びを届けたいという、わくわくするような思いです。
その喜びは、マリアがエリサベトに挨拶をしたときにすでに始まっています。エリサベトのおなかの中でヨハネが踊り、エリサベト自身は聖霊に満たされ、声高らかに、まだ生まれていない主イエスを褒めたたえました。「私の主のお母様が私のところに来てくださるとは…」(ルカ1:43)
エリサベトは自分よりもはるかに若いマリアの訪れを、幸せな時代の訪れ、「私の主」と呼ぶことのできる方の訪れ、として喜びました。それは神様を見失っている時代の終わりであり、神様と今一度出会う時代の始まりです。
クリスマスの訪れは、それが毎年のことであって、私たちが忙しく、喧騒に呑まれているように感じていたとしても、その度ごとに神様は期待して、私たちに贈り物である「私の主」を差し出してくださる時であって、いつでも私たちを驚き喜ぶことへと招いています。