お元気にお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。」これは、世界人権宣言の第一条に謳われていることです。では、いったい何を根拠にそう言っているのでしょうか。
これは説明の必要がない自明の原理だ、と主張するかもしれません。しかし、誰かの不自由の上にあぐらをかき、不平等な社会から恩恵を受けている特権階級の人にとっては、これが自明の原理だなどと言われたくないに決まっています。現状こそが自然の成り行きで、そこに手を加えることは、社会を不安定にさせることだ、とおかしな理論を振りかざすかもしれません。
人権について語るときにしばしば「天賦人権説」という言葉が使われます。つまり、人権とは天から与えられたもので、人間が意のままにすることができないものだ、とする考えです。
この考えは必ずしもキリスト教を背景としているとは言えませんが、少なくとも、キリスト教と矛盾する教えではありません。それどころか、神が人間を自由平等に造ったと信じるキリスト教にとっては、人権は擁護されるべき自明の原理なのです。
今日の聖書の言葉
「神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。」
創世記1章27節