いかがお過ごしですか。新座志木教会の杉山です。
創世記に登場しますヨセフは、神様から与えられた夢をそのまま兄たちに語りましたが、それは兄たちにとっては全く面白くないものでした。その結果として、兄たちは全力でヨセフの語った夢をなかったものにしようと動き出します。
彼らは、父から使いに出されたヨセフを捕まえて、水を溜める大きな穴に投げ込んでしまいます。しかもこの兄たちの最初の計画では、ヨセフを穴の中に放置することで、見殺しにしてしまおう、というものだったようです。
それに対してさすがに長男のルベンはもう少し慎重でした。兄弟たちを説得してヨセフを助けようとするのですが、この時、全体として兄弟たちはヨセフを兄弟の一人として扱おうという思いと、ヨセフをひどい目に合わせてやりたいという、二つの思いの間で揺れ動いているようにみえます。
聖書を読みますと、兄たちは兄弟の血を流してはいけないという思う一方で、しかしヨセフを穴の中に落としたまま、そのそばで、平気で昼ご飯を食べながら相談している、というような残酷さも見いだせます。
このようにして、二つの思いに揺れ動いているうちに、ヨセフは通りかかった商人たちによって連れ去られてしまい、兄たちはヨセフが失われてしまったのを知って愕然とすることになります。
けれども、このようにして、ヨセフが連れ去らされることは、やがてこの家族にとっての希望と救いになります。神様は人間の一時の行き過ぎた感情をも用いて、ご自身の計画を完成されるのです。