あさのことば 2018年6月26日(火)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

杉山昌樹(新座志木教会牧師)

杉山昌樹(新座志木教会牧師)

メッセージ: 神様からの夢

 いかがお過ごしですか。新座志木教会の杉山です。

 神様は、ヨセフという人に特別な夢を見せた、ということが旧約聖書の創世記に書かれています。その夢の内容は、家族がヨセフにひれ伏すようになるというものです。それを聞いて反発した兄たちの言葉を、聖書から読んでみます。
 「兄たちはヨセフに言った。「なに、お前が我々の王になるというのか。お前が我々を支配するというのか。」兄たちは夢とその言葉のために、ヨセフをますます憎んだ。」(37:8)

 なぜ兄たちはこれほど怒ったのでしょうか。それは、この夢が、今ある力関係の逆転を語るものだったからです。そして実際のところ、現実はこの夢に勝たないのです。

 ところで、聖書の別のところで、野原を歩いて近づいてくるヨセフを見た兄たちが「おい、向こうから例の夢を見るお方がやってくる。」(37:19)と皮肉めいたことを言うところがありますが、この「夢を見るお方」という言い方は「夢によって、神様からのお告げを語る人」という意味です。
 すなわち、ヨセフが自分の夢を兄たちに語る、ということは、その言葉が神様によって実現していく預言となったことを意味します。それゆえ、兄たちはヨセフを激しくねたむだけではなく、やがて彼を追放しようとたくらむようになります。

 このことだけを見ますと、神様からの夢はこの兄弟たちの間に争いをもたらしている呪いのように見えます。けれども、このようにして兄たちの反発が高まったことによって、ヨセフはエジプトに行くことになり、それは巡り巡って結果として兄たちを生かす祝福になるのです。

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