いかがお過ごしですか。新座志木教会の杉山です。
創世記におきましては、神様からの祝福の約束が代々受け継がれていく様子が示されていますが、そのような引継ぎは、必ずしも穏やかに済まないことがあります。
例えば、ヨセフという人がいます。彼の家族、特に兄弟同士の関係はあまり良いものではありませんでした。ヨセフは、年の近い兄たちと一緒に暮らしていたようですが、何か事あるごとに、兄たちが自分にしたことを父親に告げ口していたと聖書に書いてあります。けれども、この兄たちの怒りの原因は父親にもあったようです。
聖書にはこう書いてあります。「兄たちは、父がどの兄弟よりもヨセフをかわいがるのを見て、ヨセフを憎み、穏やかに話すこともできなかった。」(創37:4)なかなかリアルな言葉です。
私たちの普段の生活でも、残念なことに、苦手な人とはあまり口をきかないようにしてしまうことがあるかもしれませんが、ヨセフとほかの兄弟たちは、お互いに思いやる言葉を語れないほど冷え冷えとしていたのです。
ところで聖書では、このような仲の悪い兄弟たちの間で、神様が不思議なことを始めたと告げています。ただし、それはすぐその場で、彼らに語り掛けて理想的な関係に戻していく、というようなことではなく、むしろ、対立がより深まるような夢をヨセフに与えるという仕方でした。
けれども聖書を続けて読んでいきますと、最後にはヨセフは家族を助け、互いに涙を流して赦しあうところへと導かれます。神様はとても不思議な仕方で最後に良いものを用意していてくださるのです。