いかがお過ごしでしょうか。東京練馬の光が丘キリスト教会で牧師をしております、尾崎純と申します。
ルカによる福音書の21章3節で、神殿にいたキリストは、たくさん献金した人をほめました。しかし、その人は貧しいやもめで、献金したのは200円にも満たない金額でした。その人は少額と言ってよい献金を、人目に隠すことなくささげたのです。近くでは、お金持ちが文字通りたくさん献金していました。しかしこの人は、少しも自分を恥じてはいなかったのです。
この人はやもめです。周りの人たちはこの人のことを不幸な人だと思っていたことでしょう。けれども、この人は神様に感謝をささげるために神殿にやってきました。夫を亡くして、生活に困っている状況でも、この人は、神様に感謝しているのです。この人は、もう心が神様から離れてしまってもおかしくないのに、それでも変わらず神様を愛しているのです。
神様の御心によらないでは、何事も起こることはない。すべては、神様の御手の内にある。その神様は、いつも変わらず私を愛してくださっている。この人はそう信じているのです。このやもめはその日の生活費をすべてささげました。でもそれは、必死の覚悟でそうしたのではなかったでしょう。神様に全ておゆだねします、だからもう安心です。そういう思いだったのではないでしょうか。
この人は、何も無理をしていないのです。むしろ、穏やかな笑顔でささげたはずだと思うのです。だからこそキリストは、この人をほめたのです。