いかがお過ごしでしょうか。国立聖書教会の野島邦夫です。
善い事をすれば天国へ行けるし、悪い事をすれば地獄に落ちる。そんな誰の心にもある思いは、イエス・キリストへの信仰を強調するキリスト教には関係無いのでしょうか。いや、あります。
旧約聖書申命記28章は「あなたが主の戒めを悉く守るなら主はあなたを祝福する。」と述べて、続いて祝福の長いリストを記します。次に「あなたが主の戒めを守らないなら主はあなたを呪う。」と述べて、続いて呪いの長いリストを記します。これは、律法を守れば人は救われる、そして人にはその力があるという、いわゆる律法主義の教えでしょうか。
ところが、それを否定するはずの新約聖書の中にも、こうあります。
「すべて悪を行う者には苦しみと悩みが下り、すべて善を行う者には栄光と誉れと平和が与えられる。」 これは信仰義認、つまり人はただ信仰によってのみ救われるという教えを強調する、(先日引用した)ローマの信徒への手紙3章の直前、2章9、10節の言葉です。この手紙の著者パウロは矛盾することを述べているのでしょうか。
そうではなく事は単純です。律法に適う善い事をすれば神からよい報いがあり天国へ行けるし、律法に背く悪い事をすれば神から報復があり地獄に落ちる。これは主なる神がもともと定められた「世界の秩序」です。善い事をすれば地獄へ行くし、悪い事をすれば天国へ行くなどと言う神は信じたくありませんね。