いかがお過ごしでしょうか。国立聖書教会の野島邦夫です。
善い事をすれば天国へ行けるし、悪い事をすれば地獄に落ちる。そんな誰の心にもある思いは、信仰を強調するキリスト教には関係無いのでしょうか。無いと言うなら、誤解です。
このような誤解は、キリスト教の中でもプロテスタント教会の中で強くあるようです。というのも、カトリック教会はもともと善い行いも強調するのに対して、プロテスタント教会は専ら信仰を強調するからです。これにはもっともな理由があります。
カトリック教会が、神に救われるためには善い行いも必要だと言い、中世の終わりにひどくゆがんでしまった時、異を唱えたのがルターです。彼によって宗教改革が始められました。
昨年は宗教改革500年記念の年でした。この改革運動の中からプロテスタント教会が生まれました。ルターがその際旗印にしたのが信仰義認、文字通りには信仰によって義、正しい、と認められるという教えです。つまり、人は善い行いをいくら頑張ってしても不十分で救われない、ただイエス・キリストを信じることによってのみ救われる、ということです。
これは聖書が教える救いのメッセージの中心点ですが、強調するあまり善い行いを軽視する傾向があります。信仰と相いれないものとして拒否することさえあります。私たちは善い行いを正しく理解しているでしょうか。