いかがお過ごしでしょうか。国立聖書教会の野島邦夫です。
モノとは異なる、他の生物とも異なる人のいのちとは何でしょうか。それを教えるのが創世記2章7節です。解かりやすく言うと、人間は様々な元素・物質からできている、しかし「命の息」が吹き込まれて初めて、つまり神が「命の絆」をご自分と人間との間に創ってくださって初めて、人は人として生きるものとなった、のです。
このことは、同じ内容を別の角度から説明する創世記第1章と並べて読むとさらによくわかります。そこでは、人間だけは「神のかたちに創造された」と書かれますが、人間以外の生き物とこの物質世界のすべてはただ「創造された」と言われます。モノと人以外の生物との質的な違いはありません。他の生物は生物的生命を持つだけだと言っても良いでしょう。
しかし、だからと言って人が他の生き物をむやみに殺すことはよくありません。それらの生き物もモノも、神が心を込めて創られてその管理を人に委ねられたのですから。人は、モノはモノとして、他の生き物は生物的生命を持つものとして、それぞれに相応しく扱わなくてはなりません。
人間も生き物ですから、他の生き物と共通する生物的生命を持ちます。けれども、命の息あるいは神のかたち、つまり神との絆が無いなら、人間はただの生物です。