ごきげんいかがですか。草加松原教会の川杉安美です。
イエス様が地上で活動していたときのことです。12年間、病に悩まされていた女の人がいました。聖書にはこうあります。
「医者に全財産を使い果たしたが、だれからも治してもらえない女がいた。」(ルカ8:43)
医者といっても昔のことです。動物の糞を使うというような迷信的方法でしたから、治るわけがありません。この女の人は、群衆に囲まれているイエス様に近づき、後ろからイエス様の服に触れました。そうすると病は癒されたのです。
しかし、ことはそれで終わりません。黙って去ることは許されず、イエス様はその女の人に、触れた理由や病が癒されたことを皆の前で話させました。それからイエス様は言われました。「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。」(8:48)
イエス様はここで、「あなたの信仰が病を治した。」と言っていません。「あなたの信仰があなたを救った」と言っています。おそらく病の癒しよりももっと根本的なこと、イエス様を信じて救われる、そのことを示されたのでしょう。それを女の人に与えるために、病が治ったからと言ってそのまま去らせなかったのです。
この女の人にとっては、確かに病の12年間は苦しい12年間だったに違いありません。しかし、その病がこの女の人をイエス様へと向かわせたのです。苦しい12年間も、イエス様によって救われるために意味があったということにならないでしょうか。そして、最も根本的な、イエス様を信じて救われる、これからは安心して生きていける、それを得たのでした。