おはようございます。綱島教会の小宮山裕一です。
旧約聖書の詩編42編にはこう記されています。
「涸れた谷に鹿が水を求めるように神よ、わたしの魂はあなたを求める。」(42:2)
この詩編を聞いて皆様はどのような情景を思い浮かべるでしょうか。この詩編の鹿は1匹の鹿です。実は鹿は群れで行動します。ですから、この鹿は何かの理由で他の鹿達とはぐれてしまったのでしょう。
そして鹿という動物は決して強い動物ではありません。周りには猛獣がいるかもしれません。心細い中で水を求めたのでしょう。涸れた谷に流れる水です。日本の川のように豊かな水量があるわけではありません。その水を懸命に飲んでいます。まさに、命をつなぐ水です。
この詩編を書いた詩人は、こうした鹿の様子を自らと重ね合わせているのです。自分はもうヘトへトで、周りには敵しかいない。決して強い人間ではないことも分かっている。頼るべきものは神様しかいない。主よ、私に水を与えてください。この乾いた心を潤してください。疲れた肉体を癒してください。鹿の姿を通して描きたかったのはこうした詩人の心境なのかもしれません。
聖書の語る神様は、このように迷う鹿に水を与え、命を保つ神様です。そして一人ぼっちの鹿のようなものを深く憐れんでくださるお方です。水を与えてくださるお方です。心に平安がないとき、このお方に寄り頼む幸いを皆様も味わってください。