いかがお過ごしでしょうか。東京練馬の光が丘キリスト教会で牧師をしております、尾崎純と申します。
ある時、キリストは弟子たちに対して、「富を天に積みなさい。」(ルカ12:33)とおっしゃいました。これは、富よりも神を信頼しなさいということですが、そういうふうに言われているということは、私たちは、何よりも地上の富を信頼しているということになりますね。
確かに、富には力があります。しかし、考えてみると、富というものは、過剰というか、余分なもののことですね。余分ということは、本来なくてもいいものだということです。それなのに、人は富を追い求めます。富があれば将来も安心だと考えるからです。それは間違った考えではありませんが、将来の富まで追い求めて、将来のことでいつも思い悩むようになってしまったのが私たちではないでしょうか。
イエス様は、「あなた方の富のあるところに、あなたがたの心もあるのだ。」(ルカ12:34)と言います。もし、私たちが将来の富を求めて現在を生きているとすれば、私たちは、本当の意味で生きていることになるでしょうか。私たちが生きているのは、将来ではなく、現在です。過去は過ぎ去ったもので、将来はまだ来ていません。私たちには、いつも、現在しかないのです。
余分なものとそうでないものの区別をつけることを心掛けたいと思います。そのようにして気をつけている内に、必要のないことで思い悩むことがだんだんと無くなっていくのではないか、と思っています。