いかがお過ごしでしょうか。国立聖書教会の野島邦夫です。
イエスは、在世当時以来、一方では聖人と見なされたり他方では極悪犯罪人と見なされたり、大きく広い誤解を受け続けて来ました。今週は、聖書記事から、大きな誤解の幾つかとその正しい解説を学んでいます。さらに、その背後にある大切な意味を学びます。
イエスは救い主としての活動の中で、時に病人を奇跡的に治療したり、嵐などの自然現象をコントロールして見せました。それに接した当時の人たちは、手品師・魔術師とうさん臭く見たのではなく、特別の賜物がある人だと敬意をもって見たようです。
例えばマタイによる福音書第9章。しかし、これもまだ不十分な理解です。自然科学の発達した現代では、迷信とかペテンとか作り話と見られるだけでしょう。これらについても、聖書は解説して言います、「神が自然界を創造し支配している。イエスはこの神の子・分身だから、奇跡が必要な時には行うことができる。」と。
この解説自体が常識的には、特に現代人には稚拙に感じられます。誤解が生まれるのもやむを得ないとも言えます。どうせなら尤もらしい解説をつければいいのにと思うのですが、誤解を承知で出来事をそのまま記録し、否定されるのを承知で解説を付けます。それが歪めてはならない事実であり、人の救いに関する大切な意味がそこにあるからです。