いかがお過ごしでしょうか。国立聖書教会の野島邦夫です。
いま、たまたまこの放送を聞いておられる、キリスト教について殆ど知らないという方々もおられるでしょう。
そのような方々にお伺いします:イエス・キリストとはどのような人物だと想像されますか。
様々な答えが出て来そうです:キリスト教を作った人、古代の聖人・偉人、人を愛せよと語った道徳の教師、奇跡を行う魔術師、ユダヤ人を扇動した革命家、十字架刑で処刑された犯罪者、など。
ある時大学生の集まりでこの質問をしました。傑作がありました、「イエスは、偶然起こった自然現象を自分が起こした奇跡だと言いふらした詐欺師で、遂にはそれがばれて殺された。」なるほど。人間の理想として作られた架空の人物と見られることもあります。これらはみな、現代に限らず、キリスト教2千年の歴史の中で、しばしば主張されました。
聖人から極悪犯罪人まで…このような評価の幅の広さは、やはり古代の偉人である孔子やシャカとは対照的です。彼らは生前から現代まで、常に聖人として崇められています。
聖書に記録されているように、イエスの生前から状況は同じです。ここには何か大きな秘密、私たちにとっても重要なものが隠されているのではないか、と思わずにはいられません。今週は聖書を辿りながら、イエスへの誤解とその背後にあるモノを考えます。