ひたちなか教会の小宮山裕一です。聖書の言葉に耳を傾けましょう。
聖書の大切な教えに、十戒と呼ばれるものがあります。漢数字の十に戒めと書いて、十戒です。十戒を読むと、確かに「何々してはならない」とありますので、私たちを戒めているようにも思います。しかし、十戒の精神はただの戒めではありません。
十戒の教えの一つに、「隣人の家を欲してはならない。隣人の妻、男女の奴隷、牛、ろばなど隣人のものを一切欲してはならない。」(出エジプト20:17)というものがあります。要するに、他人が持っているものをうらやましいと思う心持ちについて、注意を促しているのです。
隣の芝は青く見える、と言われます。自分の家に芝生があっても、他人の芝生の方がよく見えてしまうものです。しかし、それでは絶えず、自分と他人を比較し続けることになります。これでは、疲れてしまうでしょう。
十戒のこの教えは、他人のものをうらやむな、ということではなく、今あるもので満足をする。そこに中心があります。他人にあるものではなく、自分に与えられているものに目をむけ、そのすばらしさに改めて気付くのならば、そこには感謝が生まれるのです。
そのために、私たちに必要を備えてくださるお方に思いを向けたいのです。そのお方こそ、聖書が伝える神様です。神様は、私たちに必要は全てのものをご存知です。そして、私たちを良いもので満たしてくださるお方です。このお方に目を向けるとき、私たちは今、与えられているものに満足をする。その幸いへと変えられていくのです。