おはようございます。宿毛教会の酒井啓介です。
神様は、十戒をお与えになりました。十戒には、大切な生き方が記されています。毎週十戒のお話しをしていますが、今回は第4戒になります。
少し振り返りますが、十戒の内、最初の第1戒から第4戒までが、おもに神と人との関係についての戒めです。第1戒は宗教についての戒めで、第2戒は礼拝方法について、第3戒は啓示についての内容です。そして第4戒は、第1〜3戒を、最も鮮やかに守るための時を具体的に定めています。
今日は十戒の第4戒の要点を抜粋してお読みします。
第4戒:安息日を心に留め、これを聖別せよ。
安息日とは、日常の働きを休み、神様を心から礼拝する日のことです。この安息日は、キリスト教会では日曜日となっており、キリストが復活した日が日曜だったことに由来します。この安息日を、他の日に対して、聖く区別することを聖別と言います。
教会でクリスチャンたちは、この安息日に礼拝を守り、神の御前に集います。そこにおいて、聖書が読まれ、説き明かされます。私たちは、神様がキリストを通して、私たちの罪を許して下さっていること、そして私たちを愛し、歩むべき命の道を示して、導いておられることを、安息日毎に教えられます。ここで、私たちは励まされて、希望をもって新たな週を歩み出すことができるわけです。様々な罪や誘惑と戦う力をもここで得ます。安息日には、特別な恵みを神様から戴き、霊的にも肉体的にも力を充足する生活を送っています。
日本人の勤勉さは世界的に関心が持たれている一方で、休みをなかなかとらない、ということでも有名です。
人命に関わる仕事や、市民生活を支える仕事で、安息日も例外的に働かざるを得ないものはやむを得ませんが、ほとんどの職種で休みを取りたくても取れない環境が広がっていることでしょう。安息日を守って礼拝を捧げるという、この十戒の戒めは、今の日本ではますます守りにくい掟となっているかもしれません。
神様はすべてのものを創造され、人間も創造されました。人間に必要な物を、最もよくご存じの神様は、こう言われます。「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる(マタ4:4)」。
被造物の中で、最も尊い存在である人間には、神の言葉が必要なのです。そして、神の言葉を聞く時、私たちの存在の本来の尊さに改めて気付かされるのです。
安息日に、礼拝において、神と人との関係がキリストの贖いにおいて回復されている現実を鮮やかに示されます。礼拝へ共に集い、聖書と、礼典というしるしによって、神と共に生きる永遠の命に生かされる信仰を強められていくのです。
こうして礼拝において神に創造された本当の私たちに立ち帰り、一週の歩みへ派遣され、平日において御心に適う善き行ないを託されていきます。
最後にあと一言述べたいと思います。
安息日は、肉体的休息も重要です。忙しくて難しい現実があるでしょうが、安息を精神的な事柄のみにしすぎず、実際に体を休めることが、神様に対して聖いことです。
ある神学者は、私たちを励ます言葉を次のように語ります。第4戒は「世界はあなたがいなくても続いて行く、ということを私たちに思い起こさせるものだ」。
これは、私たちが無理に働かなくても、神の力強い働きがあるから安心してよい、という意味です。
神様は皆さんを愛しておられます。安息日が私たちに与えられていることも、神様の愛の現れの1つなのです。