ごきげんいかがですか。東川口教会の櫻井良一です。
私たちがイエス・キリストと呼ぶ場合、このキリストと言う単語は名前ではなく「救い主」と言う働きの意味を表すギリシャ語です。この言葉はヘブライ語では「メシア」となります。このメシアは、本来は「油注がれた者」と言う意味を持った言葉です。
古代のイスラエルでは、神さまから特別な使命を与えられた人たちがいました。そしてその人たちの頭に油を注いで任命式を行いました。特にこの油注ぎは、神さまの言葉を人々に伝える使命を担った預言者や、神殿で神さまのために生贄を献げる務めを果たした祭司、そして国とその国民を神さまに代わって治める使命をいただいている王の上に施されたのです。
それでは、なぜもともと「油注がれた者」と言う言葉であった「メシア」が「救い主」を指す呼び名として使われるようになったのでしょうか。
それは神さまの祝福をこの地上に実現するためにやって来られた救い主が、預言者として、祭司として、そして王として働かれることでその使命を果たしてくださるからです。
イエス・キリストはこの「メシア」と言う言葉が示すとおりに、預言者として神さまの言葉を伝え、また祭司としてご自分の命を生贄として十字架にささげられました。そして王として私たちを守り導いてくださる方なのです。
聖書の言葉
イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。
マタイによる福音書16章15〜16節