おはようございます。香川県坂出市で牧師を務める、吉田崇です。
12月と言えばクリスマス、クリスマスと言えばサンタクロースを思い浮かべる方も多いことでしょう。クリスマス・イブに、トナカイの引くそりに乗ってやって来て、プレゼントを置いていってくれる、というサンタクロース。このサンタクロースは全くの作り話なのでしょうか。
実はサンタクロースは、昔々キリスト教会にいた一人の人をモデルにしたと言われています。その人の名は、サンタ・ニコラオス。
ある日サンタ・ニコラウスは、とても貧しくて生活に苦労している家族がいることを知りました。そこでサンタ・ニコラウスは、真夜中にこっそりその家を訪れます。そして暖炉につり下げられていた靴下に、お金を投げ入れて行きました。このお金のおかけで、この家の人々はどん底の状態から今一度立ち上がることができたということです。このサンタ・ニコラウスという名前がなまり、サンタクロースとなって今日に至っているとのことです。
ニコラウスさんは、顔を合わせ、名前を名乗ってお金を渡したのではありませんでした。もしそうしていたなら、助けられた家族は必ず御礼を言って恩に報いようとしたはずです。でもニコラウスさんは、夜中にこっそりお金をおいていくことを選びました。感謝も御礼も何もいらない、ただ、相手がどん底から救い出されるのであれば、それだけで十分だったのです。
このような態度は、ニコラウスが信仰していたイエスさまにこそ、最もよく現われています。
イエスさまはこの地上にお生まれになってから、困っている人、苦しんでいる人、悲しんでいる人の元を進んでお訪ねになりました。そして相手からの何らの見返りも求めることなく、愛と憐れみをもって人々をお助けになりました。それなのにイエスさまは悪い方に悪い方に誤解されるようになり、ついには大変な罪人という判決をくだされて、十字架につけられてしまったのです。
でもイエスさまはこの十字架の死を甘んじてお受けになりました。私たち一人一人が罪の泥沼から救い出されるのであれば、それだけでもう十分だ、と言わんばかりに、イエスさまは十字架で死んでくださったのです。私たちのために命まで犠牲にしてくださったイエスさまの十字架の愛のおかげで、私たちはどん底から今一度立ち上がらせていただけたのです。
ニコラウスさんも、まずはイエスさまによって、罪のどん底から助け出される経験をしました。このイエスさまを仰いで生きていった結果、ニコラウスさんは一つの家族に見返りを求めない愛を示すことができ、そのおかげで一つの家族がどん底から救い出されたのです。
見返りを求めず、出し惜しみなくプレゼントする愛。この愛はクリスマスにお祝いされるイエス・キリストから流れ出てくるものです。どうぞラジオをお聞きの皆様も、イエス・キリストからの限りない愛のプレゼントをお受け取りくださいますように。