一週間も半ばになりました。きょうも番組に耳を傾けてくださり、ありがとうございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
ルカによる福音書によると、イエス・キリストがお生まれになった時、ローマ帝国では人口調査があったと記されています。この調査は、言うまでもなく、ローマ帝国の税金を取り立てるための基礎調査です。どこの国でもそうですが、国を支えるための予算が必要です。集めた税が巡り巡って、納税者の益につながってくる限り、それは決して悪い制度ではありません。しかし、税の集め方と使い方で、民衆の怒りが爆発することはよくあることです。
当時のユダヤがまさにそうでした。そこには民族的な対立や宗教的なイデオロギーも絡んでいましたが、根底にあるのは、人が人として大事にされていないという不満でしょう。
人が人として大事にされない社会、これほど人間の罪を体現しているものはありません。強い者、力のある者が、弱い者、小さな者を食いつぶしていく社会は、平和も希望も失われていきます。そして、そのような罪深い人間社会にこそ、救い主が必要です。
今日の言葉…「ただ、神の国を求めなさい。そうすれば、これらのものは加えて与えられる。小さな群れよ、恐れるな。あなたがたの父は喜んで神の国をくださる。」 ルカによる福音書12章31-32節