茨城放送をお聞きのみなさん、おはようございます。ひたちなか市足崎にありますひたちなか教会の牧師、小宮山裕一です。寒い朝を迎えました。どうぞ、お体にお気をつけてお過ごしください。
今日は、聖書に登場する人物の名前の由来についてお話をします。本日取り上げますのは「ヤベツ」です。
聖書にはたくさんの人の名前が登場してきます。しかし「ヤベツ」は決して有名でない人物の一人です。
ヤベツとは、苦しみとか、悲しみといった意味です。人の名前に苦しみとか悲しみという名前をつけるなんて、なんとも縁起の悪そうな名前ですが、母親はあえてヤベツという名前を産まれてきた男の子につけたのです。
苦しみや悲しみとは、本来避けるべきものなのかもしれません。しかし、苦しみや悲しみに意味を見いだすことができるとしたら、その人にとって貴重な体験になるでしょう。そして、苦しみや悲しみが神様から来ることを信じるのであれば、それはただの苦しさや悲しさでは終わらない。そこに神様のメッセージを受け取ることができるのです。
苦しみの子、ヤベツを聖書は「兄弟たちの中で最も尊敬されていた」と紹介しています。ヤベツの人生に苦しみや悲しみがどれくらいあったのか、知る由もありません。しかし、ヤベツはその名の通り、苦しみを受け取り、そこに意味を見いだしたのではないでしょうか。
私たちも、苦しみや悲しみの多い「ヤベツ」です。しかし、そのヤベツと共に神様はいてくださるのです。