いかがお過ごしですか。船橋高根教会牧師の、小峯明です。今朝の聖書の言葉を朗読します。創世記12章20節です。
「ファラオは家来たちに命じて、アブラムを、その妻とすべての持ち物と共に送り出させた。」
飢饉のために困ったアブラムは、神が示された約束の土地を捨てて、エジプトに逃れて行きました。神に助けを求めることに思いが至らず、自分の判断に、より頼んでのことでした。しかしアブラムには不安がありました。エジプト人は、妻のサライの美しさを見て、夫のアブラムを殺してサライを奪うかもしれない、との不安です。
古代世界ではそのような危険があったようです。そこでアブラムはサライに、妻ではなく妹だと言ってください、と頼みました。サライはアブラムの妻ですが、自分の身の危険を案じてアブラムはそのことは隠しておきました。
エジプトに行くと、やはり案じていたように、サライはファラオの宮廷に召し入れられました。美しかったからです。アブラムは彼女の兄、ということになっていましたので、多くの財産をファラオから与えられました。アブラムは自分の命と引き換えに、妻をファラオに差し出すことになりました。
しかし、神はサライを妻にしたファラオと宮廷の人々を裁き、病気で苦しめました。ファラオはこの問題を調査したのでしょう。するとアブラムが、サライは妻であるのに、それを隠して妹と言っていた、このことが問題だったと分かりました。
ファラオはサライがアブラムの妹だと聞いたので、妻としたのに、とアブラムに憤慨して「妻を連れて、立ち去ってもらいたい」と語り、「アブラムを、その妻とすべての持ち物と共に送り出させ」ました。
生きて働かれる神様は、アブラムの愚かな選択にもかかわらず、身を乗り出して助けてくださいます。神様の恵みと憐れみは、人間の罪と貧しさを越えて大きいのです。