いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた『最後の晩餐』の絵は、一度はどこかで見かけたことがあると思います。この絵が描いているのは、キリストが弟子たちと最後の食事をされたときの様子です。この最後の晩餐に先立って、キリストは「世にいる弟子たちを愛して、この上なく愛し抜かれた」と聖書には記されています。人間的には欠けたところが多かった弟子たちでしたが、キリストは最後の最後まで弟子たちを愛されたのです。
そのキリストは食事の前に、弟子たち一人ひとりの足を洗いました。客人の足を洗うのは、本来は僕の仕事です。キリストは僕のように、弟子たちにお仕えになりました。それは弟子たちに対する模範でもありました。キリストの愛は、愛されることを期待する愛ではなく、仕えることで実現する愛です。その模範を最後の晩餐のときにも示してくださいました。この出来事にちなんで、受難週の木曜日を「洗足木曜日」と呼び習わしています。
ところで、この同じ日のことを、欧米では「maundy thursday」という言い方もあります。maundyとは命令を意味するラテン語から来る言葉です。それは、この最後の晩餐の席上で、キリストが弟子たちにこう命じられたからです。
今日の言葉…「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」ヨハネによる福音書13章34節