いかがお過ごしでしょうか、国立聖書教会の野島邦夫です。
今週は、二十世紀の最も重要なプロテスタント教会の信仰告白・バルメン宣言を学んでいます。信仰告白とは、神に対する教会の信仰の誓いを文書化したものです。代表例が使徒信条です。信仰告白は神への誓いであり、同時に諸教会とクリスチャンたちへの誓いです。
今日は全六条の中の第三条を学びます。要約すれば、「教会の主はキリストのみであり、キリストは聖霊の力によって、聖書と礼典を用いて教会を治められる」です。ここで聖書とは福音の説教です。礼典とは洗礼と聖餐です。ここで「教会の本質」が表明されます。当時ドイツでは、ナチ政府が強力に国家の全体主義化を進めていて、諸教会にも合同して国家に協力するように求めました。まだナチ主義の本質が見抜けなかった多くの教会は、これに応じました。しかし、少数の目覚めていた牧師たちは、この条文を突き付けて闘いました。教会は単なる人間の集団ではない、ナチ政府のものではなくキリストのものだと言って。
これはまた、人間に好都合に、時流に合わせて教会の在り方の根本を変えてはならない、ということです。その根本とは、聖書に忠実な福音の説教と、正しく執行される礼典です。時流に合わせて変えてよいこともあります。しかしこの二つの事が揺らげば教会は霊的に死にます。私たちも覚えておきましょう。