熊田なみ子のほほえみトーク 2014年2月25日(火)放送

熊田 なみ子(スタッフ)

熊田 なみ子(スタッフ)

小さな朗読会174「計略の失敗(1)」
(「母と子の聖書旧約下」75章/サムエル下17-18章)

 ダビデ王がエルサレムから逃げている時、アブサロムやその他のイスラエル人が大勢エルサレムの町にやって来ました。ダビデの議官アヒトペルも一緒に来ました。もう一人の議官ホシャイは、ダビデに忠実でしたが、ダビデを助ける最も良い方法は、アブサロムに悪い忠告をすることだと考えました。そこでホシャイは、アブサロムのもとに来て、「王さま万歳、王さま万歳」と言いました。アブサロムは驚きました。「これがあなたの友ダビデに示す親切なのか。あなたはどうしてダビデと一緒に行かなかったのか。」と聞きました。
 ホシャイは、「もし主とイスラエルのすべての民があなたを王として選んだのならば、私もあなたと一緒におります。あなたの父が仕えたように、その子のあなたにも忠実に仕えるべきではないでしょうか」と言いました。ホシャイは大真面目に見えたので、アブサロムは満足して彼を二番目の議官として受け入れました。

 そこで新しい王はアヒトペルに、「これからどうすべきかあなたのはかりごとを述べよ。」と言いました。アヒトペルは、大変賢く、まるで神様の言葉を語っているようでした。彼は、「私に一万二千人の人を選び出させ、ダビデの後を追わせてください。彼が疲れて弱くなっているところを襲いましょう。彼と共にいる民が皆逃げたら、私は王ひとりを撃ち取りましょう。民はみなあなたの所に引き連れて来ます。あなたは平和のうちに王となるでしょう。」と言いました。

 アブサロムは、この賢い忠告に大そう満足しましたが、それを実行する前に、ホシャイの言い分も聞きました。ホシャイは、アヒトペルの忠告が賢明なのを良く知っていましたので、アブサロムがそれに従わないようにさせたかったのです。そこで彼は、「アヒトペルが授けたはかりごとは、今回は良くありません。あなたの父とその従者たちとは勇士です。その上彼らは、子を奪われた熊のように今ひどく怒っています。あなたの父は賢く、今夜は民と共に宿らないで穴の中か、どこかほかの所に隠れるでしょう。もし私たちがそこを攻めて、兵のうちの幾人かが手始めに倒れるならば、民は恐れて逃げ帰るでしょう。今夜攻める代わりに、全イスラエル人を集めて、あなたの父と大っぴらに戦えるまでお待ちになるのが良いでしょう。そうすれば、我々は数も多く、やすやすとあなたの父に勝てます。彼の兵士は一人も残らないでしょう。あなたの父が城壁のある町に入ったら、小石一つも残らないまでに城壁を壊すでしょう。」と言いました。これを聞いたアブサロムとその友だちは、ホシャイの言うことのほうが、アヒトペルの言い分よりも良いと考えました。本当は逆だったのですが、神様は、アブサロムに災いを下すため、ホシャイの悪い忠告のほうをアブサロムに選ばせられたのです。アヒトペルは、ホシャイの意見のほうが受け入れられたことに大そう気を悪くし、エルサレムを離れて自分の故郷に戻りました。そこで彼は、首をつって死に、ダビデの友ホシャイただ一人をアブサロムの相談役として残してしまいました。

 ホシャイはすぐに、祭司のザドクとアビヤタルの所に行き、始めにアヒトペルの述べた意見を告げ、その後で自分の言った意見を伝えました。そして、「あなたがたは速やかに息子を遣わしてダビデに『今夜、ヨルダン川のこちら側にいないで、必ず渡って行きなさい。』と告げるように。」と申しました。祭司たちの息子ヨナタンとアヒマアズは要心のためエルサレムに入って来ることを避け、郊外の泉の傍に待っていました。若い娘が伝言を持って行くことになっていました。ところが二人は何者かに見られ、その人は彼らを斥候とみて、そのことをアブサロムに告げました。アブサロムは早速ヨナタンとアヒマアズを捕えるために人を出しました。

 この間二人は井戸のある家にやって来ました。彼らは井戸の中に入って隠れました。その家の婦人は、井戸の口の上に布を広げ、布の上に麦を撒き散らしました。まもなく、アブサロムの従者が来て、「アヒマアズとヨナタンはどこにいますか?」と尋ねました。婦人は、「あの人々は小川を渡って行きました。」と答えました。僕たちは、二人を探し続けましたが、見つからないのでエルサレムに戻りました。

 安全を確認してから、ヨナタンとアヒマアズは、井戸から這い出してダビデのもとに走りました。そして、すぐ川を渡るように言いました。アブサロムは、ホシャイの忠告に従って大軍を集め始めましたが、いつ気を変えて待つことなしにダビデを追い始めるかわかりません。夜中じゅうかかって、ダビデと従者はヨルダン川を渡りました。明け方には、みな向こう岸に渡り切っていました。そして、彼らは、エルサレムからずっと離れている町に行きました。ここでダビデは、従者のためといってたくさんの食物をもらいました。食物のほかに、煮炊きする鍋や皿、それに布団も与えられました。これらのものの一部は、かつて、ヤベシギレアデの人々の目をえぐると脅した王の息子が持ってきました。一部は、バルジライという大変年取った人が持って来てくれました。

 イスラエルの民の多くは、なおダビデを愛し、彼に同情していました。ダビデがその地方を通ると人々は家から出てきました。こんなに良い王が、息子からこんなにひどい目にあわされていることを人々は嘆きました。自分の田畑を捨てて、ダビデの従者となり、もしアブサロムの兵と戦うことがあれば、ダビデのために戦おうという人々もたくさんいました。まもなく、ダビデは大きな軍隊を持つようになりました。王のために戦おうとする兵が何千にもなっていました。ダビデは自分の軍を三つに分け、一つの分隊の長には将軍ヨアブを、もう一つの分隊の長にはヨアブの兄弟のアビシャイ、他の分隊には、イッタイという人をおき、そしてダビデは、「私もまた必ずあなたがたと一緒に戦いに出ます。」と約束しました。しかし人々は、「あなたは出てはなりません。我々が逃げても、彼らは我々に心をとめず、我々の半ばが死んでも心をとめませんが、あなたは我々の一万に等しいのです。あなたは町の中にいて我々を助けてください。」と言いました。

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