いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
先々のことを考えることができる、というのは、人間が持っている素晴らしい能力です。その能力のおかげで、未来を予測し、未来に備えることができます。しかし、未来は未だ来ない現実ですから、ほんとうに未来が来てみないと、わからないこと、不確実なことは、山ほどあります。そのすべてに備えようとし始めたら、不安が募って、たちどころに平静な心を失ってしまいます。
人間にはもう一つ大切な能力があります。それは、ほどほどに諦めることができるという力です。諦めるという言い方は、あまりにも後ろ向きかもしれません。前向きにとらえれば、人生を何者かに委ねることができる能力と言ったらよいかもしれません。「何者か」というのは、何でも良いというのではありません。自分よりもはるかに勝った存在にです。そのお方の存在を信じることも含めて、人間には「委ねる」という決断ができます。
イエス・キリストはおっしゃいます。
「だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。」
これは諦めの勧めではありません。神にすべてを委ねて、きょうを精一杯生きる知恵です。
今日の言葉…「だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である。」マタイによる福音書6章34節