いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
「一人の生命は、全地球より重い」という言葉があります。これは1948年3月、最高裁判所大法廷で出された判決の中に出てくる言葉です。その後、いろいろなところで、命の大切さを語るときに、この言葉が引用されるようになりました。
では、どうして命はそんなにも重く、大切なものなのでしょうか。ある人はこう答えます。「命は人間によって作り出すことができないからだ」。別の人はこう答えます。「たくさんの命があっても、その人の命というのは一つしかないからだ」。どれもまったくその通りです。しかし、そうであるとすれば、それは人間の命に限ったことではありません。けれども、実際には人間の命と動物の命は同じとは思われていません。
ではいったい何がどう違うのでしょう。どうして人間の命だけが特別に尊厳があるのでしょう。これにもいろいろな答えがあるかもしれません。しかし、聖書ははっきりこう答えています。
「人は神にかたどって造られたからだ」(創世記9:6)
この答えは、ばかげていると思われるかもしれません。しかし、命の尊厳という概念も基本的人権という思想も、聖書の神への信仰がなければ、結局は軽んじられてしまうのです。
今日の言葉…「人の血を流す者は 人によって自分の血を流される。 人は神にかたどって造られたからだ。」創世記9章6節