おはようございます。ひたちなか教会の小宮山です。
聖書という書物を開いてみますとその内容の豊富なことに驚かされます。喜怒哀楽と呼ばれる人間の感情や、単純素朴でありながら、深い人間理解と洞察がなされています。人間の本質は、古今東西変わることがありません。
わたしたちは、嘆き、悲しみ、時には恨みという感情を持つことがあります。聖書はそうした人間の暗い部分を隠すことなく伝えているのです。
例えば、詩編の7編の7節にはこのような言葉があります。
「主よ、敵に対して怒りをもって立ち上がり憤りをもって身を起こし わたしに味方して奮い立ち 裁きを命じてください。」
この詩編の作者は、全く身に覚えのないことで訴えられているのです。自分は悪くないことを確信しています。そして、神様に対して祈るのです。神様を信じる者が苦しんでいるのに、神様が助けてくれない。まるで、神様は眠っているかのようだ。神様、どうぞ眠りから覚めてくださって、わたしに味方をしてください。そして、敵を裁いてください。そうした祈りです。
聖書は、神と人とを愛するようにと教えています。そうした聖書の教えと、敵を裁いてくださいというこの聖書箇所はなんだか矛盾しているように感じるかもしれません。しかし、神様は人の持つ様々な感情をご存じです。こうした他人を恨むという思いをもつわたしたちを、深く理解してくださいます。そして、正しさを持つ神様は、不当な苦しみの中にいるものを、必ずや解放してくださるのです。