あさのことば 2013年8月16日(金)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

今井献(東京教会牧師)

今井献(東京教会牧師)

メッセージ: 国や民族

 いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。
 今週は8月15日を迎えるということもあり、戦争と平和について考えています。
 戦争というと、国と国との戦争、国の支配権を争う内戦、また、民族を単位とする民族紛争などを考えることが出来ます。すなわち、国の誇り、民族の栄光が戦争の原因になることもあります。

 聖書における民族については、イスラエル民族の歴史を考えることができます。旧約聖書を見ると、神が特別にお造りになったのがイスラエル民族なのですが、民族としては散り散りになったところで旧約聖書は閉じられます。 

 また、新約聖書になってイエス・キリストがあらわれると、イスラエル民族と異邦人の区別は強く否定され、民族という概念は事実上なくなっていきます。
 国については、ローマ帝国が厳然として存在しているのですが、キリスト教の観点から、国の制度が積極的に論じられるということはありません。秩序を保つ役割はありますが、そのために独裁的な帝国が否定されたり、ギリシアに見られた民主国家が肯定されるということもありません。イエスがおっしゃったとおり「わたしの国は、この世には属していない」(ヨハネ18:36)からなのでしょう。

 キリスト教は無政府主義ではないのですが、どこか特定の国や民族と結びつくということはありません。聖書を読みつつ、民族とは、国とは何かを考えることは、平和のために役に立つはずです。どうか、聖書を手にとって、国や民族にとらわれることのない平和について考えてみてください。

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