いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
「幸せな暮らし」ということと「豊かな暮らし」というのは、ほとんどの人にとって同じことだと考えられがちです。というのも、「幸せな暮らし」という漠然とした表現の中身は、結局のところ、豊かな暮らしをその理想としているからです。そして、ほとんどの人にとって、経済的な豊かさが精神的な豊かさをも育むとものだと考えられています。「衣食足りて礼節を知る」ということわざがある通り、生活に余裕ができてこそ、礼儀とか節度とといった精神的なことがらにも心が向くようになるということでしょう。
しかし、イエス・キリストはその弟子たちにこうおっしゃいました。
「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。」
これらのものとは、食べるものや着るもののことです。人間が生きていくために必要な物質的なものや経済的な必要のすべてと言ってもよいでしょう。そうしたことを求める前に、神の国と神の義をまず求めよとキリストはおっしゃいます。天地万物の創造者であり、救い主である神との関係をしっかり人生の土台に据えないならば、食べ物や着るもので、心の豊かさを育むことはできないのです。
今日の言葉…「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。」マタイによる福音書6章33節