いかがお過ごしですか。新座志木教会の杉山です。
少し前に、車体全体が緑色に塗られた山手線の電車が登場したと新聞で読みました。かつての高度成長のころを思い起こして元気になろうということのようです。その昔は就職活動も売り手市場だったようですが、すでにかなりの間、いわゆる就活は厳しい状況が続いているようです。
若い方たちの多くが、社会に出ようというその最初から困難に直面しておられるのは残念なことです。けれども、ひょっとしてわたしたちは思い違いをしてしまっているところがあるのかもしれません。それは、例えば多くの人によいと認めてもらえるような企業の合格を得なければならないという思い込みです。
ところでキリスト教会に集う若者はおとなしいというような噂を聞くこともあります。そして確かに聖書にも「逃げる」ことを勧めているかのような個所があります。けれどもそれは、本当に逃げなのでしょうか。
新約聖書のヘブライ人への手紙には「目指す希望を持ち続けようとして世を逃れてきたわたしたち」という言葉があります。これはいったい何から逃げるのでしょうか。実は、ここには積極的な思いが込められています。希望を持ち続けることを壊してしまわないように、自分自身の思い煩いから自由に逃げるのです。こうでなければと考えて自分で自分を苦しめることから自由になるのです。そこに新しい希望が生まれます。