いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
共同作業で仕事を進めているときに、チームワークを乱す人がいると、その人をチームから外した方がよい、と考えてしまいがちです。チームのリーダーはそうした不満の声を上手に処理しなければならない責任があります。短絡的に目先の結果だけを追い求めると、思わぬ損失を被ることがあります。
旧約聖書の箴言にはこんな面白い格言があります。
「牛がいなければ飼い葉桶は清潔だが 豊作をもたらすのは牛の力。」(箴言14:4)
ひと昔前の農作業では、牛は重要な労働力でした。しかし、牛を飼えば、牛小屋も飼い葉桶も汚れてしまいます。牛がいなければ飼い葉桶を清潔に保てるからと言って、牛を手放したのでは本末転倒です。
この格言は農作業の知恵を教えているのではありません。人間社会にとって大切なことを教えています。聖書では一人ひとりに神から与えられた才能や役割があることを教えています。けれども、もし目先の利益のために邪魔になるからといって、誰かを排除してしまったならば、将来得られる豊かな益をも失ってしまいます。そうならないためには、人に与えられている能力や才能を正しく見出すことが大切です。その上で、お互いの能力や才能を価値あるものとして認め合うことが、社会をより豊かなものとして行くために必要なのです。
今日の言葉…「牛がいなければ飼い葉桶は清潔だが 豊作をもたらすのは牛の力。」箴言14章4節