いかがお過ごしでしょうか、国立聖書教会の野島邦夫です。今週のテーマは「愛」です。
「あのコを好きになってしまった。いつも考えてしまう。思うたびに切なくなる、食欲もない。勉強が手につかない。これではいけないと思いを断ち切って勉強に集中する。が、ふっと気付くとまたあのコのことを考えていた。彼女を自分だけのものにしたい。けれども自分が彼女を思い焦がれるほどには、彼女は自分を思ってくれていないようだ。辛い。彼女が他の男と愉しそうに話しているのを見ると、嫉妬心が燃え上がる。誰とも話したくない一人でいたい、と思う一方なぜか人と話したい。
なにげなく顔を上げて窓から外を見た。いい天気だ。そして見慣れているはずの庭の木々に目が行ってドキッとした。ええっ、こんなに綺麗だったんだ!なにか新しい目を与えられたような。心に小さな窓が取り付けられて、そこから涼やかな風が入って来たような。そして瞬間的に思う、彼女が自分のものにならなくてもいいじゃないか、彼女が他の男を好きになってもそれで彼女が幸福になるのなら。何か彼女のためにできる事があったらしてあげよう…」
これはある男子高校生が恋愛している時に記した文章の一部です。「心が開かれて…」という点が重要です。これが愛だけが持つ自分を守る堅い心の壁を破り、他人との真の結びつきを生む力です。