いかがお過ごしでしょうか、国立聖書教会の野島邦夫です。今週のテーマは「愛」です。
先日、ある新聞の「こころ」というコラムにこう書かれているのを読みました。「永遠なものは本当にあるのでしょうか」という読者の質問に対して、この筆者は言います。「わたしは宗教をもたないから『死後の永遠のいのち』は信じない。しかし、永遠というものに通じる道はあると思う。それは愛だ。人を愛し人から愛される時、愛する者との別れは必ず来るけれど、愛する者たちと共にいるという感覚によって埋め尽くされたわたしの生はいまここで、永遠に宇宙に刻み込まれる。これは不滅だ」(2012年6月18日付朝日新聞夕刊の「こころ」欄、著者は森岡正博氏)。
著者は宗教家ではなく哲学者です。しかし何と愛というものを宗教的に深くとらえておられることでしょう。「愛は決して滅びない」(1コリント13:8)という有名な聖句をご自分の言葉で解説しておられるのではないだろうかと思うほどです。
この哲学者のことばにおそらく多くの方が何かしら共感を覚えられるでしょう。日常の生活を超えてわたしたちの生死さえ超え出ていく何かがあると、普段の生活の中で「愛」を経験する時、意識していなくても感じているからでしょう。誰でも必ず体験する「愛」、この中にはわたしたちが普段何となく思っている以上に深く大切なものがあります。
今週もう一度、ご一緒に「愛」について考えてみましょう。